ブラック企業で働くことにより得られる能力
松原です。
さて、日本人は働きすぎなどとよく巷ではささやかれております。
実際に、残業80h以上や100h以上が常態化し、「三六協定なんて都市伝説でしょ?」状態の方々は割と多いのではないでしょうか。
かつ、そのうえでサービス残業の割合が多く、給料が低い、社内の人間関係が悪い、顧客が理不尽などの要素が多ければ多いほどいわゆる「ブラック企業」に該当する度合いが高まっていきます。
ブラック企業で働く方の強み
私は新卒から10年間、いわゆるブラック企業でセールスエンジニアとして働いてきました。私個人は残業が40時間程度で収まる月が多かったですが、隣の課では残業100時間overが続き死んだ魚の目をした若手がいたり、年間の連続勤務記録を誇らしげに語るおじさんがいたり、いつ自分がそのような悲惨な役割に回されるか不安を感じていました。
業態は建設業界。建物への設備納品が中心。建物がほぼほぼ完成し、最後の工程で設備を収める。そんなイメージです。
受注した案件の納期は絶対。納期の遅延は違約金発生に繋がるため絶対NG!
建設業界に勤めた経験のある方はよーくご存知だと思いますが、建設現場ってほぼ工程が遅れるんですよね。ですが、工期が遅れることは絶対にありません。
そう。間に合わすのです。
前職では、担当にアサインされた人間が全責任を持って「間に合わす」業務に行っていました。嫌が応でも当事者意識を持たざるを得ないのです。逃げることはできず、逃げることは即刻死を意味します。現場担当は追い詰められ、私のような支援部隊も徐々に追い詰められていく。まさに修羅場と呼べる瞬間を何度か経験してきました。
現場では怒号が飛ぶこともしばしばあります。このような環境で働く当事者の立場としては、とても精神的にキツいのですが、一方で得るものも大きいです。
得るもの①:忍耐力
「最近の若手は・・・」などというコメントはあまりしたくないのですが、事実最近の若手は繊細なメンタルである比率が高いと感じています。
かくいう私も豆腐メンタルでした。しかしながら、メンタルも修羅場を経験すれば存分に鍛えられるんですね。怒り狂う客や上司と相対するなどといった、痺れるような体験を経験することでストレス耐性は間違いなくホワイト企業に勤める同期よりも高くなるのではないでしょうか。そして、このストレス耐性は立場が上になればなるほど必須のスキルになると思います。その観点でいうと、今ブラック企業で働くあなたは素養があると言えます。
得るもの②:自分の裁量で仕事を進める経験
結論、これは会社によるとは思います。私の場合、前職は大手のようにしっかりとしたチーム体制は構築されていなかったので、良くも悪くも完全に自己責任でした。
それが故に、上司に細かくホウレンソウを行うこともなく、自分の考える最適解に向けて突き進めば良いだけでしたので、ある種やりがいはありました。
しかしながら、自分の考えが誤っていたときのダメージは致命的です。守ってくれる人はいませんし、その際には顧客からの激詰めが待っていました。
私は現在、いわゆる大手メーカーに勤めていますが、なんとなく想像していた通りで若手にはあまり裁量がありません。関わるビジネス規模は大きいのですが、タスクの中でも若手は枝葉に該当するような内容をリーダーもしくは課長の承認のもと、指示に従い進めるというやり方を採っています。
もちろん、会社や部署によっても異なるのでしょうが、若手の間は自分の力で成し遂げた成果が大手企業の場合だと挙げにくいのではないかと思います。
自分の力で成し遂げたアウトプットは、すなわち市場価値や能力向上とも密接に関係すると思います。今ブラック企業で働くあなた。自分の強みに該当する方が多いのではないでしょうか。
得るもの③:当事者意識
これは前述の通りですね。逃げれば殺されるくらいの環境で仕事をしていると、やらない選択肢なんてないんですよね。
このマインドをいい感じにプラス転換し、前向きな行動に転嫁できた時点で、仕事における最強の姿勢が身に付くと思います。
ということで、勝手にブラック企業万歳という長文記事を書かせて頂きました。
これは実際に私を現職に採用してくれた部長が言っていたことですが、「ブラック企業で働いていた人間は書類選考した際に会ってみたくなる」とのことでした。
ではこの辺で
That is all